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「坂の上の雲」英訳版刊行へ(産経新聞)

 本紙で昭和43年から47年まで連載された、作家の司馬遼太郎の長編歴史小説「坂の上の雲」を英訳出版する計画が進んでいる。企画を主導しているのは、日本文献出版(千葉県松戸市)の斎藤純生(すみお)社主(73)。新聞独特の文章構成や言い回しを外国人に受け入れられるよう配慮し、学者3人に英訳を依頼。現在約3分の1を訳出し、平成24年中の刊行を目指している。

 「坂の上−」について、斎藤社主は「歴史家ではなくジャーナリストの視点で、膨大な資料を使い非常に客観的に描いている。文章も流麗で、トルストイの『戦争と平和』に匹敵する立派な作品」と高く評価。総発行部数が2千万部を超えるなど、日本での影響力の大きさからも、英訳の意義は大きいとみている。

 日本文献出版は14年、明治初年の岩倉使節団の公式報告書「特命全権大使米欧回覧実記」の英訳を出版し、同年の日本翻訳出版文化賞を受賞している。

 しかし、「坂の上−」は8巻という膨大な分量や、ある程度話が進むたびにそれまでの内容を振り返る新聞小説独特の文体、「余談だが」で始まる脱線など、外国の読者が親しみにくい要素もあり、翻訳出版は難しいとされていた。

 かつて国際交流基金が米マサチューセッツ大のウィリアム・ナフ名誉教授に英訳を依頼し、1次訳までは完成したこともあったが、17年にナフ名誉教授が亡くなったため未完に終わっていた。

 今回は、駿河台大学のポール・マッカーシー教授、同志社女子大のジュリエット・カーペンター教授、英ノッティンガム大のアンドリュー・コビング准教授の3人に新たに翻訳を依頼。編集者、監修者も別に選び、万全の態勢で臨む。全4巻に収める予定だ。

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